最近、夫との口論が頻繁になってきました。
大きな理由の一つとしては、私の家事能力の無さにあります。
ま、それはそうなんですけども。
その点はそもそも、結婚する前から正直に言うとったやないかと私は思うのです。
後でいろいろ言われるのが嫌だったので、正直に全部話しましたよ。全部。
炊事に選択に掃除、何から何まで全部、大の苦手であることを。
口論になったら、夫はその点を責めてくるわけですけども。
本当の理由はそこじゃないです。
もうね、口では私に勝てなくなってしまったんですよね。夫。
これと同じ感覚を以前、私は経験したことがあります。
その時の相手は母親でした。
今と同じように、口では私に勝てなくなりました。母。
私はその時、母はこんなに愚かだったのかと愕然としてしまいました。
子供はいつか親を超えるというけど、それが今なのか?
……いや、違うんですよね。
母が愚かになったのではなく、私が賢くなったのです。
しかもそれは、私の力じゃありません。
インターネットが生まれて普及したおかげです。
つまり私はですね。
ニュートンの書簡にあった言葉を借りて言いますとですね。
「ITという巨人の肩の上に乗っていた」
ことに他ならないのです。
母はネットどころか携帯すら持っていませんでしたので(今でもです)。
そして私は、ついに夫を超えてしまいました。
何で夫を超えたのか、それは時間によるものです。
夫はありがたいことに仕事してくれていますから、その拘束時間が長いんですよね。
もちろん、そのことは感謝しておりますよ?
ただし、現実は認めなければなりません。
私の方が夫よりも遥かに自由になる時間が多く、その時間を全部自分の好きな勉強に費やすことができるわけです。
いつか来るはずだった逆転の日、それが今です。
私がここで書きたかったことはですね。
これは何も我が家だけの問題ではない、のではないかと言うことなんですよね。
つまり今の日本では、生産性がかなり下がっていますけれども。
その生産性が下がった大きな理由の一つとしては、需要が満たされてなくなってしまったことにあります。
そうなるとどうなるかと言いますとですね、お客さんは「特に欲しいものがない」という状態になります。
どうしても壊れて使えなくなった時の買換え需要以外発生しない、となりますと……
「これは魅力的または画期的な新しい商品だ!(または画期的な機能の搭載された従来品か)」
「これは安い! ここまで安いなら買っても良いか」
……の、いずれかでしか需要がほぼ生まれないということになります。
しかし魅力的または画期的な商品なんてそう簡単に生み出せるものではありません。
となりますと、もはや安くするしか方法がないわけですよ。
その中に人件費も入っているわけで、皆がお金をたくさん稼ぐことができないから、安く売るその動きに拍車がかかります。
となると稼ぐのが難しくなった分、副業するか残業ができる会社では残業するかという話になって、ますます労働の拘束時間は長くなります。
単位時間当たりの生産量は下がっているのに、いや、下がっているからこそ働く時間が増えてしまうのです。
これって、ものすごーくムダなことではないでしょうか?
とは言え、私の頭が夫を凌駕したとしても、その頭をどうやって使って労働で稼ぐのか……という話になったら、稼げないんですよねこれが。
なら全部ムダじゃないかと言えばそうではなく、稼げない時間が発生するのは仕方がないとして、これをやり続けなければやはり未来はないのです。
今の日本では全然お金にならない私の勉強している分野とは、それは嗜好品に関するところであり、日本はこれからそちら側に方向転換することでお金を稼ぐことができるようになるでしょう。
最近は日本でも「リベラルアーツ(教養と訳されています)」とか盛んに言われるようになって、わかる人にはわかるという話になってきましたが。
しかしですね、何せ文系では九州大学という名門の大学で勉強されていた方が将来を悲観して自殺する国ですからね。
この状態を何とかしなければ、貧乏ぐるぐる巻きのままです。我が国は。
だから夫も私を妬んで言い返すネタとして家事労働ができないことを責めている場合じゃない、と思うのですが。
(さすがに口論の時にこれは言うてません。いや、家事ができない申し訳ないっていうのは十分承知の上です)
一見、単なる夫婦喧嘩という小っさい話題ではありますが、実はその背後には日本の抱える大きな問題が隠されていたんですね……
……っていうのは、さすがにオオゲサですよね。笑。